タイル外壁の浮きとは?

大規模修繕の豆知識 2026.08.07 (Fri) 更新

こんにちは!静岡県浜松市のアパート・マンション大規模修繕専門店のハマリノです。

「タイル外壁の浮きとは、どのような状態なの?」

「マンションのタイルが浮いていると言われたけれど、すぐに修理が必要なの?」

「タイル外壁の浮きを補修すると、どのくらい費用がかかるの?」

築20年を超えたアパート・マンションを所有している大家さんから、タイル外壁についてこのようなご相談をいただくことがあります。

タイル外壁は塗装仕上げの外壁と比べて丈夫なイメージがあります。しかし、タイルそのものが丈夫でも、タイルを支えている接着層や下地が劣化すると、タイル外壁の浮きが発生する場合があります。

タイル外壁の浮きを放置すると、タイルの剥離や落下につながる可能性があります。国土交通省も、タイルやモルタルなどの外装仕上げ材について、落下によって歩行者などに危害を加えるおそれがある部分の調査を求めています。

この記事では、タイル外壁の浮きとは何か、浮きが起こる原因、確認できる症状、放置するリスク、代表的な補修方法、費用の目安まで詳しく解説します。

この記事を読むと、タイル外壁の浮きを早期発見するポイントや、補修工事を検討するタイミングが分かります。

アパート・マンションの経営でお困りの大家さんに読んでいただきたいです。

1. タイル外壁の浮きとは

タイル外壁の浮きとは、外壁タイルと下地の間に隙間ができ、タイルが下地から離れている状態です。

外壁タイルは、タイルだけで外壁を構成しているわけではありません。一般的なタイル外壁は、コンクリートなどの躯体、モルタルなどの下地、接着層、タイル、目地など複数の材料によって構成されています。

タイルと下地の接着力が低下すると、タイルを指で押したときに動くような状態や、内部に空洞ができた状態になる場合があります。

見た目だけでは分からない浮きも多いため、外壁タイルの状態を正確に判断するには専門的な調査が必要です。

タイル外壁の浮きが起こる仕組み

タイル外壁の浮きは、タイルと下地の接着部分が劣化することで発生します。

例えば、日中と夜間の温度差によって、タイルと下地が繰り返し膨張と収縮をすると、接着層に負担がかかります。

雨水や湿気がタイルのひび割れや目地などから内部へ入り込むと、下地や接着層の劣化が進む場合があります。

築20年以上のマンションでは、長年の温度変化、雨、紫外線、湿気などが積み重なっているため、タイル外壁の浮きが発生している可能性があります。

タイル外壁の浮きと剥離の違い

「浮き」と「剥離」は似ていますが、状態が異なります。

タイル外壁の浮きは、タイルと下地の間に隙間ができているものの、タイルが完全には外れていない状態を指します。

一方、剥離は接着力がさらに低下し、タイルが下地から離れている状態です。

浮きが進行すると剥離につながり、最終的にタイルが落下する可能性があります。

そのため、タイル外壁に浮きが見つかった場合は、「まだ落ちていないから大丈夫」と考えず、早めに専門業者へ相談することが大切です。

2. タイル外壁の浮きが発生する主な原因

タイル外壁の浮きには、経年劣化だけでなく、施工時の問題や建物の動きなど複数の原因があります。

原因を確認せずにタイルだけを補修すると、同じ場所で再び浮きが発生する可能性があります。

経年劣化によるタイル外壁の接着力低下

築年数が経過すると、タイル外壁の接着層や下地は少しずつ劣化します。

特に外壁は、夏の強い日差し、冬の低温、雨、風、湿気などの影響を毎年受けています。

浜松市のアパート・マンションでは、強い風や日射、雨などの影響も考慮する必要があります。

例えば、昼間に外壁の表面温度が上昇するとタイルが膨張します。夜間に温度が下がるとタイルが収縮します。この動きが長期間繰り返されると、タイルと下地の接着部分に負担が蓄積します。

築20年、25年、30年と経過した建物では、外壁タイルだけでなく目地やシーリング、下地なども含めて確認することが重要です。

タイル外壁の施工不良や下地の問題

施工時の問題が原因で、早い段階からタイル外壁の浮きが発生する場合もあります。

例えば、下地の処理が不十分だった場合、タイルと下地が十分に密着しない可能性があります。

モルタルの施工状態が適切でなかった場合や、乾燥・養生が不十分だった場合も、接着力に影響する可能性があります。

建物が完成してから何年も経過している場合、施工不良と経年劣化を見た目だけで判断することは困難です。

そのため、浮きの位置や範囲、発生状況を調査して、原因を確認することが大切です。

3. タイル外壁の浮きが起きた外壁の症状とチェック方法

タイル外壁の浮きは、外観から確認できる場合と、専門的な調査をしなければ確認できない場合があります。

外壁の状態を確認するときは、タイルだけでなく目地や周辺のひび割れなども確認する必要があります。

目視で確認できるタイル外壁の浮きのサイン

タイル外壁の浮きが疑われる代表的なサインには、タイルのひび割れ、欠け、反り、目地のひび割れなどがあります。

タイルと周囲のタイルで段差が発生している場合も注意が必要です。

目地が大きく開いている場所や、タイルの一部が外側へ膨らんでいる場所も確認しましょう。

ただし、外観がきれいなタイルでも内部が浮いている場合があります。

そのため、「タイルにひび割れがないから問題ない」と判断することはできません。

タイル外壁の浮きを判断する打診検査

タイル外壁の浮きを確認する代表的な方法が打診検査です。

専門業者は打診棒などを使用してタイル表面を軽く叩き、正常な部分と浮きが疑われる部分の音の違いを確認します。

密着している部分と内部に空隙がある部分では、叩いたときの音に違いが出る場合があります。

国土交通省は、外壁タイルなどの調査について、手の届く範囲の打診などに加え、おおむね10年に一度、落下によって歩行者などに危害を加えるおそれがある部分の全面的な打診などを行う考え方を示しています。現在は、条件を満たす赤外線調査なども打診と同等以上の精度を持つ調査方法として扱われています。

打診検査では、浮きの位置だけでなく、浮きの範囲を記録することも重要です。

調査結果を図面などに記録しておくと、大規模修繕工事の見積もりや補修範囲の検討にも役立ちます。

4. タイル外壁の浮きを放置するリスク

タイル外壁の浮きを見つけても、すぐに落下するとは限りません。

しかし、浮きが進行すると外壁タイルの剥離や落下につながる可能性があります。

特にアパート・マンションでは、建物の周囲に入居者や通行人がいるため、外壁の安全管理が重要です。

タイル外壁の落下による事故の危険性

タイル外壁の浮きを放置する大きなリスクが、タイルの落下です。

外壁タイルが高い位置から落下すると、建物の周辺を歩いている人や駐車している車などに被害を与える可能性があります。

国土交通省も、タイルやモルタルなどの外装仕上げ材について、剥落による災害を防止するための診断や安全対策を示しています。

所有者や管理者にとって、外壁タイルの落下は建物の修繕費だけで終わらない可能性があります。

人身事故や物損事故につながった場合、所有者として対応が必要になるケースも考えられます。

タイル外壁の浮きから雨漏りや内部劣化につながる可能性

タイル外壁の浮きが発生している場所では、タイルだけでなく目地や下地などにも劣化が発生している可能性があります。

ひび割れや目地の劣化が同時に発生している場合、雨水が外壁内部へ侵入する可能性があります。

雨水が長期間入り込むと、下地の劣化や鉄筋コンクリートの劣化などにつながる場合があります。

外壁の劣化を放置すると、タイルの部分補修だけでは済まなくなる可能性があるため、早期の調査が重要です。

5. タイル外壁の浮きが見つかったときの補修方法と費用目安

タイル外壁の浮きを補修する方法は、浮きの範囲やタイルの状態、下地の状態によって変わります。

小さな浮きだから必ず注入工法、大きな浮きだから必ず張り替えという単純な判断ではありません。

専門業者による調査結果をもとに、建物の状態に合った補修方法を選択する必要があります。

タイル外壁の浮きに対するエポキシ樹脂注入工法

浮きの範囲が限定されている場合には、エポキシ樹脂を使用した注入工法が選択肢になります。

エポキシ樹脂注入工法では、浮きが確認されたタイルに専用の穴を開け、内部へ樹脂を注入してタイルと下地を再び固定します。

タイルを全面的に撤去する必要がないため、既存タイルを活かしながら補修できることが特徴です。

工事費用は、浮きの範囲、注入する箇所数、足場の有無などによって大きく変わります。

一般的な施工事例では、エポキシ樹脂注入による補修について、1穴あたり数百円から1,000円程度を目安として紹介しているケースがあります。ただし、実際の工事では調査費、足場費、諸経費などが加わるため、単価だけで総額を判断しないことが重要です。

タイル外壁の浮きでタイル張り替えが必要なケース

タイルの破損が大きい場合や、浮きが広範囲に及んでいる場合は、タイル張り替えが必要になることがあります。

張り替え工法では、劣化したタイルを撤去します。

その後、下地の状態を確認して必要な補修を行い、新しいタイルを張り付けます。

タイルが廃番になっている場合は、既存タイルと近い色や形状のタイルを探す必要があります。

タイル張り替えの費用は、タイルの種類、施工範囲、下地補修の有無、足場の有無などによって変動します。

一般的な目安として、タイル張り替えは1平方メートルあたり15,000円~30,000円程度とされる例がありますが、実際の見積もりでは建物ごとの条件によって金額が変わります。

例えば、20㎡を張り替える場合、タイル張り替えだけで30万円~60万円程度が一つの目安になります。

ただし、足場、既存タイルの撤去、下地補修、廃材処分、諸経費などが必要になる場合は、総額がさらに高くなる可能性があります。

そのため、アパート・マンションの大家さんは「1平方メートルいくら」という単価だけで業者を比較せず、工事内容まで確認することが大切です。

6. まとめ

タイル外壁の浮きとは、外壁タイルと下地の間に隙間ができ、タイルが下地から離れている状態です。

タイル外壁の浮きは、経年劣化、温度変化、雨水、湿気、施工時の問題など、複数の原因によって発生します。

築20年以上のアパート・マンションでは、タイルの見た目だけでは判断できない浮きが発生している可能性があります。

外壁タイルのひび割れ、欠け、反り、目地のひび割れ、段差などを発見した場合は、早めに専門業者へ相談しましょう。

タイル外壁の浮きは、打診検査などによって詳しく調査できます。

浮きの範囲が限定されている場合はエポキシ樹脂注入工法、タイルの破損や浮きが広範囲に及んでいる場合はタイル張り替えなど、建物の状態に応じて補修方法を選択します。

外壁タイルの浮きを早期に発見できれば、部分的な補修で対応できる可能性があります。

一方で、浮きや剥離を長期間放置すると、タイル落下や下地の劣化などにつながる可能性があります。

アパート・マンションの大家さんは、外壁の見た目だけではなく、タイルの内部まで含めた定期的な点検を検討することが大切です。

静岡県浜松市でアパート・マンションの大規模修繕、外壁塗装、防水工事を検討している方は、是非この記事を参考にしてくださいね!

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