大規模修繕工事におけるアスベスト対策と法規制

大規模修繕の豆知識 2025.06.18 (Wed) 更新

こんにちは!静岡県浜松市のアパート・マンション大規模修繕専門店のハマリノです。

築年数の経過したアパート・マンションの大規模修繕を検討する際、「アスベスト(石綿)」という言葉に不安を感じたことはありませんか?以前は建材として広く使用されていたアスベストですが、現在では健康被害の原因として大きな問題となっており、法的な規制も年々厳しくなっています。

この記事では、「大規模修繕工事におけるアスベスト対策と法規制」に関する最新情報と実践的な対応方法を詳しく解説します。具体的には、アスベストの特性やリスク、最新の法改正内容、除去手順、安全対策、さらに現場での住民対応の実例まで紹介します。

この記事を読むことで、大規模修繕におけるアスベスト対応の必要性や、適切な業者選びのポイントが分かるようになります。

アパート・マンションの経営でお困りの大家さんに読んでいただきたい内容です。どうぞ最後までお読みください。

1.大規模修繕工事におけるアスベスト問題とは?

築20年以上経過したアパート・マンションの大規模修繕工事を計画する際、見落としてはならないのが「アスベスト問題」です。アスベストは、かつて建築資材として広く使用されており、現在でも多くの古い建物に残っています。適切な調査や対策を怠ると、施工業者や住民に深刻な健康リスクを及ぼす恐れがあるため、十分な理解と準備が必要です。

大規模修繕

アスベストの特性と過去の使用状況

アスベスト(石綿)は、耐熱性・耐久性・絶縁性に優れた鉱物繊維であり、かつては建築資材として非常に重宝されていました。特に1970年代から1990年代初頭にかけて、吹付け材、保温材、屋根材、外壁材、配管の断熱材など、さまざまな用途で使用されてきました。

しかし、アスベストは極めて微細な繊維で構成されており、空気中に飛散すると人体に取り込まれやすく、深刻な健康被害を引き起こすことがわかっています。このため、現在では製造・使用が法律で全面的に禁止されていますが、過去に建てられた築20年以上の建物には、今もなおアスベストを含んだ建材が残っている可能性が高いのです。

修繕工事におけるアスベストのリスク

大規模修繕では、外壁の塗り替え、天井の解体、防水層の撤去など、多くの建材を削る・壊す作業が伴います。このとき、もしアスベスト含有建材が存在していた場合、繊維が空気中に飛散してしまうリスクがあります。

作業員だけでなく、住民や近隣住民にも深刻な健康リスクが及ぶため、事前にアスベストの有無を調査し、適切な処理を行うことが不可欠です。加えて、アスベスト含有建材の除去は法律により厳しく規制されており、無許可での作業は罰則の対象となります。

2.アスベスト除去の重要性:健康被害と環境への影響

アスベストを含む建材の処理は、単なる廃棄物処理ではありません。人体への影響や環境への負荷を考慮した慎重な対応が求められます。

健康への影響—肺疾患と長期的リスク

アスベストの最大の問題は、その健康被害です。アスベスト繊維を吸い込むと、肺の奥深くに入り込み、以下のような病気を引き起こすことがあります:

  • 石綿肺(アスベスト肺):アスベストによる慢性的な肺の繊維化

  • 中皮腫:胸膜や腹膜に発症する悪性腫瘍

  • 肺がん:発症までに20〜40年の潜伏期間がある

こうした病気は症状が出るまで非常に長い年月がかかるため、今でも過去の曝露による発症例が後を絶ちません。特に建設業に従事していた方が高齢になってから発症するケースが多く、社会的にも大きな問題となっています。

環境への影響—適切な処理の重要性

アスベストを含む廃材を不適切に処理した場合、繊維が再び空気中に舞い上がり、周辺環境に被害を及ぼします。雨風で拡散すれば、予期せぬ場所にまで汚染が広がり、住民の健康を脅かすことになります。

このため、アスベスト廃棄物は「特別管理産業廃棄物」として、厳密に分別・密封された状態で専門の処理業者によって適正に処分されなければなりません。

3. 最新のアスベスト法規制と施工業者が守るべきポイント

大規模修繕を行う際は、最新の法改正に基づく対策をしっかり行う必要があります。特に2025年の法改正では、調査や報告義務が強化され、建物所有者にも責任が課せられています。

 2025年法改正のポイントと義務化された対策

2025年4月の改正法により、大規模修繕工事におけるアスベスト対策はさらに強化されました。主な改正点は以下のとおりです:

  • 事前調査の義務化:すべての建築物の改修工事において、アスベスト含有の有無を事前に調査し、記録を保管・報告することが義務づけられました。

  • 事前報告の徹底:アスベストが含まれていた場合、工事着手前に所轄の自治体へ届け出る必要があります。

  • 有資格者による除去作業:除去作業は、石綿作業主任者などの専門資格を持つ技術者でなければ行うことができません。

これらのルールは、工事の安全性と住民の健康を守るための最低限のラインです。

施工業者が遵守すべき安全管理基準

アスベスト除去工事に携わる施工業者は、以下のような安全基準を遵守する必要があります:

  • 作業エリアの密閉養生

  • 負圧集じん装置の設置

  • 作業員のPPE(個人用保護具)着用

  • 現場内の湿潤化(散水)による飛散防止

  • 使用済みの保護具や廃材の厳格な廃棄

また、住民への事前説明会の実施や、掲示板での情報開示、安全標識の掲示など、周囲の人々への配慮も非常に重要です。

4.安全な施工のために—アスベスト対策の具体的な手順

安心・安全な大規模修繕を実現するためには、アスベストに関する明確な工程と対策を講じることが不可欠です。

アスベスト調査から撤去までの流れ

  1. 図面確認と目視調査

     建物の竣工図や過去の改修記録を確認し、アスベスト使用箇所の可能性を洗い出します。

  2. サンプル採取と分析

     専門業者が実際に建材の一部を採取し、アスベスト含有の有無を検査機関で分析します。

  3. 行政への届け出

     含有が確認された場合、工事開始前に自治体へ正式に届出を行います。

  4. 作業計画の立案と養生

     除去作業は作業エリアを養生し、外部に飛散しないように密閉状態を作ります。

  5. 負圧作業・除去

     負圧集じん装置を稼働させながら、慎重にアスベスト建材を撤去します。

  6. 作業後の空気測定・封鎖解除

     作業完了後、空気中のアスベスト濃度を測定し、基準値以下であることを確認して封鎖を解除します。

作業員の安全確保と飛散防止策

作業員は、全面保護型の防護服・防じんマスク・手袋・ゴーグルなどを着用し、汚染区域と清浄区域の出入り口で除染を行います。使用後の装備は全て密閉袋で回収・廃棄。

さらに、作業現場周辺には防塵マットや散水装置を設置し、繊維の拡散を最小限に抑えます。

5.工事関係者と住民が知っておくべきアスベスト対策の実践例

アスベスト問題を乗り越えるには、住民との信頼関係構築が不可欠です。ここでは、実際の現場での取り組みをご紹介します。

 住民への情報提供と適切なコミュニケーション

アスベスト除去工事を行う際は、住民との信頼関係が非常に重要です。具体的には、以下のような対応が実践されています:

  • 事前にアスベストの有無と工事内容を記載した案内文書を全戸配布

  • 管理組合や住民を対象とした説明会を開催

  • 工事期間中、住民専用の相談窓口を設置

ある現場では、住民の不安を解消するためにリアルタイムで進捗状況を共有する掲示板を設置し、安心感を与える工夫がされていました。

 現場における安全管理と周辺環境への配慮

作業区域はカラーコーンやパーテーションなどで明確に区画され、関係者以外の立ち入りを厳しく制限。作業車両の出入り口ではマットやエアシャワーを用いて、繊維の場外持ち出しを防止します。

また、周辺道路には定期的に散水を行い、ほこりと一緒にアスベスト繊維が舞い上がるのを防ぐといった細やかな対策も講じられています。

6.まとめ

「大規模修繕工事におけるアスベスト対策と法規制」は、築20年以上経過したアパートやマンションの管理・経営において、今や避けては通れない重要なテーマです。アスベストは過去の建材に広く使われていたため、大規模修繕工事の際にその存在が発覚するケースも少なくありません。

アスベストを適切に除去しないまま工事を進めると、工事関係者だけでなく住民の健康や周囲の環境にまで大きなリスクをもたらします。実際、肺がんや中皮腫などの重篤な健康被害は長期的に発症するため、早期の対策が極めて重要です。

2025年に予定されている法改正では、事前調査や届け出の義務が一層厳格化されます。施工業者や大家さんに求められる責任も重くなる中、信頼できる施工業者を選び、正確なアスベスト調査と適切な対策を講じることが、トラブルの未然防止につながります。

本記事では、アスベストの基本情報から法規制、具体的な工事手順、住民への配慮まで、総合的に解説しました。こうした知識を押さえておくことで、大規模修繕工事の進行をスムーズにし、建物の資産価値を維持・向上させることができます。

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